不正融資問題を起こした政府系の商工組合中央金庫(商工中金)の経営見直しで、経済産業省の有識者会議(座長=川村雄介・大和総研副理事長)が27日開かれ、提言の方向性が固まった。先送りされた完全民営化を今後3~5年かけて目指し、「民業圧迫」にならないように業務も縮小する。同会議は年明けに結論をまとめ、世耕弘成経産相に提言する。
有識者会議は、商工中金が2度目の業務改善命令を受けた後の11月に始まった。これまで6回の会合で焦点となったのが「完全民営化」だ。
商工中金には政府が約46%を出資し、社長は経産次官OBが続いた。経営責任が明確でない体制で不正が広がった。27日の有識者会議では「政府系では、いつまでも『民業補完』の十字架を背負う。完全民営化を鮮明にした方がいい」(冨山和彦・経営共創基盤代表)、「(半官半民のままという)中間解はない」(翁百合・日本総研副理事長)との意見が相次いだ。完全な民間企業として、中小企業金融で一定の役割を果たす組織に改めるべきだ、との意見が大勢だ。
商工中金は政府系金融改革で完…