楽天の監督に就任し、キャンプインしてユニホーム姿を披露した星野仙一さん=2011年
4日に亡くなった星野仙一さん(70)は、東日本大震災が発生する前年の2010年10月に楽天の監督に就任、被災地を勇気づけ続けた。優しき闘将を悼む声が各地からあがった。
特集:星野仙一さん死去
楽天の本拠地、「楽天生命パーク宮城」(旧Koboパーク宮城=仙台市宮城野区)。隣の陸上競技場に子どもを送り届けた同市太白区の会社員男性(51)は、2013年に楽天が日本一を決め、胴上げされている星野さんをレフトスタンドから見ていたという。
「優勝インタビューで、被災地の東北を勇気づけたいというメッセージに感動した」。今朝のテレビニュースで亡くなったのを知り「突然だったのでびっくりした。何事にもまっすぐな姿勢は、若手選手らに引き継がれていくと思う」と悼んだ。
同市若林区の会社員土井浩之さん(52)は、「被災地への思いが強い人だった。選手への優しさにもあふれ、人情味のある人だった」。同区の会社役員門伝章弘さん(62)は、「よく市内で食事されているのを見かけた。亡くなるのが早かった」と残念がった。
宮城県多賀城市鶴ケ谷3丁目の災害公営住宅で暮らす植田大(ひろし)さん(69)は、「知らなかった。まさかと思った」と声を詰まらせた。津波で家が流された植田さんは、市内の仮設住宅にいた頃を思い出す。
「何もかもなくなって、楽天を応援するしかなかった。みんなできょうは勝ったね、と話すのが唯一の楽しみで、星野さんに元気づけてもらった。東北のため、宮城のため、楽天のために尽くしてもらって、今までごくろうさまと言いたい」と話した。(井上充昌)