楽天生命パーク宮城に設置された星野仙一さんの献花台で、合掌する楽天の梨田監督(手前)と立花球団社長
プロ野球楽天の梨田昌孝監督らが9日、亡くなった元監督で副会長の星野仙一さんをしのび、本拠の楽天生命パーク宮城に設置された献花台に花を供えて冥福を祈った。
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梨田監督やコーチ陣、立花陽三・球団社長らフロント幹部は正午ごろ、そろって献花台へ。1分間の黙禱(もくとう)の後、白い花を供え手を合わせた。献花台は7日午後から球場正面に設置され、この日が最終日。梨田監督らが祈るのに合わせ、訪れた一般のファンも冥福を祈っていた。
昨季は夏場以降に大型連敗を喫して失速し、優勝争いから脱落した楽天。梨田監督は「怒られると思ったが、星野さんから『采配には自信を持って、思うようにやれ』と激励してもらった」と振り返った。献花台に掲げられた星野さんの写真を前に「少しでも思いを引き継いで、チームをしっかり引っ張っていきます」と誓ったという。
立花社長は、星野さんの膵臓(すいぞう)がんが判明した2016年夏の時点で、本人から報告を受けていたという。ファンが途切れることなく献花に訪れる光景に「被災地に対する思いが人一倍、強かった。その真心がちゃんとファンに届いていたんだと思う」と目を潤ませた。
自主トレのため球場に来ていた楽天の嶋や福山らも献花した。日本一になった13年、当時の星野監督を胴上げした嶋は「くよくよしていても星野さんに怒られる。いいシーズンになるようにしっかり戦いたい」。
球団はお別れの会や追悼試合の開催に向けて調整中。また、星野さんの監督時代の背番号「77」を永久欠番にすることも検討するという。(松沢憲司)
野球殿堂博物館のレリーフにも花
野球殿堂博物館(東京都文京区)では、星野仙一さんの訃報(ふほう)を受け、故人の肖像レリーフに花が捧げられている。
星野さんは2017年に殿堂入り。1年前の昨年1月16日、同博物館で殿堂入り通知式が行われた。星野さんはスピーチで「名誉ある賞をいただき、野球をやってきてよかった。プロ、アマ問わずに野球界全体を発展させていきたい」と笑顔で夢を語った。
同博物館には、野球殿堂入りした197人の肖像レリーフが展示されている。これまでも、殿堂入りした人が亡くなった場合は、そのレリーフに花を捧げてきた。広瀬信一館長は「1年前、星野さんに殿堂入り決定を伝えた際には本当に喜んでくださった。今思えば、殿堂入りが決まった時点で、すでにご自身の病気のことも分かっていたのですね……。本当に残念。ご冥福をお祈りします」と語った。