復興プロジェクトに携わった熊本市動植物園で話す梅崎世成さん=熊本市東区、日吉健吾撮影 東海大2年の梅崎世成(うめざきせな)さん(21)は2016年4月の熊本地震で右足のひざ上から足先までを失った。熊本県南阿蘇村の木造2階建てアパート1階の自室で就寝中、本震が襲った。建物は倒壊し、足は天井と本棚に押しつぶされて動かなかった。近くの橋が崩落したため、救助作業が遅れた。暗闇の中、「死ぬかもしれない」と覚悟した。 特集:熊本地震 特集:阪神大震災 一命は取り留めたが、2日後の手術では右足の血管が正常に機能していないため、切断の可能性を宣告された。「命が助かるなら」。数日後、集中治療室で上半身を起こし、初めて右足がないことに気付いた。足の感覚はあるのに。現実を目の当たりにして頭が真っ白になった。 「早く大学に復帰したい」。リハビリに打ち込み、約3カ月で退院した。しかし、生活は元に戻らなかった。義足に慣れないうちはよく転倒した。走れない。坂道を歩くと、筋肉をえぐられるような痛みが襲うこともある。「バリアフリーのスロープが逆に階段より不便なんです」。夏に半ズボンをはくと、周囲の目線が突き刺さった。耐えられず、長ズボンしかはかなくなった。 震災から5カ月後に復学し、福岡県の実家から約1時間半かけて電車通学する。動物や自然が好きで選んだ農学部。一人暮らしの生活費をまかなうため、阿蘇の牧場や農家で働くつもりだったが、右足の障害が足かせとなった。自宅近くのコンビニエンスストアでアルバイトをするが、経済的な自立にはほど遠い。 「障害者だからできないと言わ… |
右足失い残った命…被災の21歳「生き続けなきゃ…」
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