村元哉中、クリス・リード組のアイスダンスSDの演技=樫山晃生撮影
(19日、フィギュアスケート・アイスダンスSD)
特集:平昌オリンピック
言葉を動きに、動きを言葉に。「孤高の星 羽生結弦」
ひざと足首を柔らかく使い、村元哉中(かな)、クリス・リード組(木下グループ)がショートダンス(SD)でラテンの情熱的な滑りを披露。63・41点で20日のフリーに進んだ。
リードは「ひざ、体は大丈夫」と話す。長らく悩まされてきたひざのけがが回復に向かい、上り調子で3回目の五輪を迎えた。
姉のキャシーと組んでいた2007年春に右ひざを負傷。手術を繰り返した。10年バンクーバー大会は17位、14年ソチ大会は21位。痛みで十分な練習を積めないことが悩みだった。
ソチ後、姉が引退してもひざが痛くても、リードの競技への情熱は衰えなかった。「新しい挑戦をしてみたい」とシングルから転向した村元と15年に組んだ。
「痛む」と繰り返していたひざが改善に向かったのは、16年から。硬かった右足首を柔らかくし、左右の筋肉のバランスを整えた。ひざの負担が減り、17年春に補助具を外すことができた。試合では1時間前から、ひざを温める準備運動など、分刻みのメニューをこなして備える。
昨年9月の平昌五輪最終予選を兼ねたドイツでの大会で五輪出場枠を確保。今年1月の四大陸選手権でSD、フリーともに自己ベストを更新。北米以外の選手では初めてのメダル獲得となる3位になった。
日本で人気の高いシングルに追いつきたい気持ちがある。リードは「フリーはすてきなプログラム。集中したい」。4年前には進出できなかったフリーで、日本アイスダンスの魅力を見せる。(後藤太輔)