イタリア総選挙は4日午後11時(日本時間5日午前7時)、投票が締め切られ、開票が始まった。開票状況と出口調査に基づく地元メディアの予想得票率(同午後1時現在)によると、移民・難民の受け入れに否定的で、欧州連合(EU)にも懐疑的な中道右派連合が上下両院で最大勢力となる見込みだ。5日午前(同5日午後)にも大勢が判明する。
予想得票率通りの結果となった場合、どの党派も過半数の議席を得られず、他党派との連立で多数派をつくる必要がある。移民問題やEUに対する姿勢など、政策面で党派の隔たりは大きく、選挙後の連立協議は難航が予想される。
公共放送RAIによると、下院(定数630)では中道右派連合が36・4%。次いで反既成政党を訴える第三極の五つ星運動が32・4%の得票率で、政党単位ではトップに立つとみられる。与党・民主党を中心とする中道左派連合は22・9%にとどまる見通しだ。
上院(終身議員を除く定数315)は中道右派連合が35・5%、五つ星運動32・5%、中道左派連合は23・1%となる見通しだ。
中道右派連合の中で最多得票が予想される同盟(旧・北部同盟)は、移民排斥を主張して支持を伸ばした。同盟が主導する連立政権となった場合、移民の受け入れ枠や財政再建策を巡り、EUとの関係に大きく影響する可能性がある。
イタリアの選挙制度は前回2013年の総選挙まで、最大の得票を得た党派が自動的に過半数の議席を得る仕組みだったが、昨年の法改正で廃止された。(ローマ=河原田慎一)