飼い主に対する強烈なイヤミか、あるいは怒りすぎて気が動転してしまっているか。あるいは、フンをする飼い主が実在するか――。吉村さんを迷わせた1枚。画素数が低かったため写真展では展示しないという=2002年4月、大阪府摂津市、吉村智樹さん撮影
ひったくり犯に「彼女が出来ないぞ!!」と警告する看板、無断駐車で「運転者の骨はバラバラに致します」と訴える接骨院の看板……。まちなかのヘンな看板の写真約50枚を展示する「街(まち)がいさがし」が3日から、大阪市此花区のギャラリー「シカク」で開かれている。
写真は、寝屋川市で育った放送作家の吉村智樹さん(52)が40年近く写真に収めてきた数万点の中から厳選したものだ。
吉村さんが看板撮影に目覚めたのは15歳の時。8ミリ映画の撮影が趣味で、ロケハンのためカメラを持ってまちを歩いた時、住民や店主ら手書きの人情味あふれる看板に目を奪われた。「こんな面白い看板があったことに、カメラを持って初めて気づいた」
それから看板の撮影に夢中になった。雑誌に応募して採用されることもあり、面白い看板探しはライフワークの一つに。大阪芸大を卒業後、大阪市内の印刷会社に就職した時も、外回りの際に看板を見つけては撮影していた。
「この頃はまだまちにはヘンな看板があふれていた」と振り返る。やがて放送作家となり、東京に移住した後も撮影を続け、面白い看板を集めた著書も出した。10年ほど前に大阪に帰ってきて異変に気づいた。
そこらのおっちゃん、おばちゃ…