笑顔で報道陣の取材に応じる樋口新葉=27日、成田空港
フィギュアスケートの世界選手権(イタリア・ミラノ)女子で銀メダルを獲得した樋口新葉(東京・日本橋女学館高)が27日、成田空港に帰国した。報道陣との主なやりとりは次の通り。
リンクを転々、電車内で睡眠 樋口新葉、不屈の銀メダル
フィギュア特集 Kiss and Cry
銀の樋口新葉が帰国「結果を奇跡的と言われないように」
――この数の報道陣(約30人)を見ていかかがですか。
「すごくびっくりしています」
――(世界選手権に)行く時と違うなと思いますか。
「はい」
――銀メダルおめでとうございます。振り返って今の気持ちを聞かせてください。
「結果的に2位で結果はすごくうれしいけど、内容はショートプログラム(SP)で一つミスをしてしまい、そこが自分の練習不足だったり、気持ちが弱かった部分があったりしたので、本当に奇跡的に取れた結果だなと思います」
――課題もあったと思うが、この1年で成長したことは。
「ショートで失敗してもフリーで諦めなかったり、一つ失敗しても諦めない気持ちだったりとかをずっと練習してきた。技術的には失敗しない練習を積み重ねてきた。それを世界選手権で出せたことがうれしかった」
――来季に向けてさらに成長できることは。
「大きな大会でもっと自信を持って滑れるようにしたいです」
――銀メダルは(今後に)どのようにつながる大会だと思うか。
「(2022年北京冬季五輪に向けた)今後の4年でしっかり、今回の結果を奇跡的と言われないようにもっと自信をつけられる練習、結果を残していきたい」
――フリーのプログラムについて、シーズン初めは「007」の世界観をつかむのに苦労していた。1年間滑ってどのようなプログラムになったか。
「最後の最後まで表現するのが難しかった。シーズン初めに比べたら、できなかった振り付けとか顔の表情は自然に作れるようになった。それはこれからにつながると思う」
――来季にむけて具体的な目標は。
「来季は全日本でまた表彰台に乗れるように、世界選手権(さいたま市)に行ってまたメダルを取れるようにしたいです」
――(出場を逃した)平昌(ピョンチャン)五輪に向けて取り組んできたプログラムで、今回国際舞台でちゃんと成績を残せたことについては。
「本当に最後の最後に結果を出せたことが一番うれしかったけど、(昨年12月の)全日本選手権とグランプリ(GP)ファイナルにピークをもってこられなかったのが一番悔しかったので、来季からは本当に毎回、毎回結果をしっかり残せるようにしていきたい」
――(リンクの確保が難しい)関東から世界選手権のメダリストは久しぶり。コーチやトレーナー、お母さんに感謝の気持ちは。
「特に今季はすごく大変なシーズンだった。リンクに行くのも大変だった。そういう面でも協力してくれていた。本当にありがたいと思っている」
――来季はさいたま市で世界選手権がある。さらに上を狙いたい気持ちはあるか。
「もちろんありますし、今回はほかの選手がミスをした部分があって銀メダルを取れたのもあった。そういうふうに言われないように、本当に自分の実力で取れるようにしたい」
――全日本選手権後、ツイッターで「倍返しの始まりだ」とつづっていた。倍返しの始まりはうまくスタートできたと思うか。
「そうですね。結果としては始められたかなと思います」
――五輪シーズンはどんなシーズンだったか。
「五輪シーズンの大変さを知ることができた年になったし、今回、世界選手権のメダルを取れたり、(GP)ファイナルに出られたりと、いい経験もあった。ずっとそういう経験ができるようにしたい」(構成・浅野有美)