シリアのアサド政権軍は3月31日、首都ダマスカス近郊の東グータ地区で反体制派が支配していた大部分の地域を制圧したとの声明を出した。反体制派NGOは取り残された住民の一部を避難させる合意が政権側と成立したと発表したが、最終合意に向けた交渉は難航している。
政権軍は声明で東グータ地区の大部分を制圧したとし、「ダマスカスとその周辺の治安や交通の状況が回復する」と強調した。一方、撤退に合意しない最後の反体制派武装組織「イスラム軍」が支配する主要な街ドゥーマ周辺での軍事作戦が続いていることも明らかにした。政権軍は撤退交渉の決裂に備えて部隊を増強している。
交渉ではイスラム軍側は同地区に残ることを主張しているのに対し、政権を支援するロシア側はシリア北部の反体制派支配地域への撤退を求め、折り合いがつかないとみられている。すでに撤退した二つの武装組織の戦闘員や住民は政権側支配地域かシリア北部に避難した。
反体制派の在英NGO「シリア…