平昌パラリンピックの聖火ランナーのキム・ヨナさん(右)
2020年東京五輪の聖火リレーの日数を114日とすることが10日、決まった。大会組織委員会の森喜朗会長、東京都の小池百合子知事らトップが集まった調整会議で了承された。3月下旬から移動日を含め約4カ月かけて行う。
被災3県で展示へ
森会長は会議の冒頭で「リレーに先立ってギリシャから運ばれた聖火を岩手、宮城、福島の3県に復興の火として順次展示したい」と表明した。スタート地点はこの日は決まらなかったが、組織委は沖縄県とする方針を固めている。今後、国際オリンピック委員会(IOC)と調整し、各都道府県を回る順番も含めて6月にある組織委の理事会で承認を得る方針だ。
都道府県別の日数は、東京は15日で、複数の競技会場がある千葉、埼玉、神奈川、静岡が3日。岩手、宮城、福島も3日で、残り39道府県は2日。16年の地震で被害を受けた熊本などの日数上積みも検討されたが、見送られた。
内規では「100日以内」
IOCは近年の五輪で、「一筆書きで100日以内」という内規を示してきた。期間が長いとマンネリ化し、注目度が下がるからだ。1964年大会では四つに分火をしてリレーをしたが、今回、IOCは分火を認めず、その代わりに日数を延ばすことを認めた。
リレーの概要は固まったが、スポンサーからの協賛金など民間資金で賄われる運営費のめどは立っていない。大会関係者によると「100日でも50億円はかかる」という。関連イベントは参加費無料で、走者のユニホームは無償提供。スタッフや警備の人件費が膨らむため、走者が増えるほど負担額も増える。
組織委は当初「135日前後」とする案をまとめたが、収支が合わなかった。「20日」を要望した東京都に対し、組織委は「10日」を提示。小池知事の反発もあり「15日」で落ち着いた。組織委は、通常の五輪では3社のメインスポンサーを4社に増やすなどして収入増を目指す方針だ。(前田大輔、野村周平)