ポール・ライアン米下院議長=ロイター
米連邦議会のポール・ライアン下院議長(48)は11日、記者会見で、11月の中間選挙には立候補せず、1月までの任期で引退することを明らかにした。共和党のホープとされてきたが、理由について「子どもと多くの時間を過ごせたと人生を振り返ることができる人になりたい」と述べた。
ライアン氏は会見で「議員職は信じられない機会を与えてくれるが、人生から多くのものを簡単に奪うという現実もある。過ぎ去っていく人生には別の大きな名誉がある。夫として、父親としての時間だ」と切り出し、今期限りで引退する考えを示した。
ライアン氏は1998年、当時最年少の28歳で当選。2012年の大統領選で、ロムニー候補から副大統領候補に指名され、オバマ大統領と激戦を演じた。15年に下院議長に就いた。
この日の会見でライアン氏は「初当選の時、子どもはまだ生まれていなかった。3人の子どもはみな10代になった。10代にとっての理想の週末は、必ずしも両親とずっと過ごすことではない。もう1期、議員を務めたら、子どもは私のことを、週末だけいる父親としてしか知らないことになる。だから、人生において新たな優先事項を作ることにした」と語った。
ライアン氏は16年大統領選で、異端児だったトランプ氏から距離を置いたが、当選後は税制改革などで大統領を支援した。会見では、トランプ政権が進める税制改革と軍事費拡大を実現させたことを成果に挙げた。(ワシントン=土佐茂生)