(12日、ソフトバンク3―0日本ハム)
チームの苦境を救う快投だった。今季初先発したソフトバンクの石川柊太が7回を散発4安打の無失点。故障者の穴を埋めるため、救援から急きょ先発に回った右腕が躍動した。
「中継ぎを7回やるイメージ。一人一人気持ちをリセットして投げた」。一回に3者連続三振を奪う圧巻の滑り出し。最速150キロの直球と、120キロ前後で自ら「パワーカーブ」と命名した変化球を織り交ぜ、緩急をつけた。「途中息があがったが後は気合」。七回無死一、二塁のピンチもしのぎ、110球を投げ抜いた。
先発陣は、左肩違和感で出遅れた和田に加え、開幕投手の千賀が右ひじ周辺の張りで7日に離脱。1軍デビューした昨季、先発、中継ぎとフル回転して8勝を挙げた石川に白羽の矢が立った。救援登板した8日の楽天戦から中3日。正式に先発が告げられたのは2日前だったが「去年と気持ちの面で変わらず、がむしゃらに投げようと思った」。
チームは石川からの零封リレーで、日本ハムと入れ替わって3位に浮上した。右ひじを手術した昨季最優秀中継ぎ投手の岩崎の長期離脱がこの日決まり、救援陣も手薄になる中で、今季2勝目を挙げた育成出身の26歳の力投は好材料だ。首脳陣は次回も先発させる方針。石川は言う。「責任感を感じながらも、気持ちを強く持っていきたい」(甲斐弘史)
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○工藤監督(ソ) 「(石川は)テンポもリズムもすべて良かった。出来すぎ。昨年と比べ投げる力がだいぶついてきた」
○柳田(ソ) 1号ソロを含む2安打2打点。「(本塁打は)僕が一番待っていました。もっともっと打ちたい」
○松田(ソ) 二回に先制の適時打。「積極的に打ちにいった。とにかくランナーをかえせて良かった」