財務省の福田淳一事務次官=財務省提供
財務省の福田淳一事務次官が女性記者にセクハラ発言を繰り返したと週刊新潮が報じた問題で、麻生太郎財務相は13日、「事実なら、それはセクハラという意味ではアウト」と述べる一方、処分については改めて否定した。週刊新潮はこの日、福田氏の発言とする音声データをネット上に公開。野党は早急に福田氏を更迭するよう求めた。
次官セクハラ報道「事実ならアウト」麻生氏、処分は否定
麻生氏は午前の閣議後会見で「あの種の話は今の時代、明らかにセクハラと言われる対象」と認め、「慎重さを欠いており、厳重注意した」と強調した。しかし、「内容がどの程度、事実かどうかわからない」「本人の長い間の実績等々を踏まえれば、能力に欠けるとは判断していない」として、福田氏を処分しない考えを改めて示した。
だが、週刊新潮は午後になって、福田氏が飲食店で30代の女性記者に「胸触っていい?」「予算が通ったら浮気するか」「抱きしめていい?」などと話したとする音声データを公開した。上野賢一郎・財務副大臣はこの日の衆院厚労委員会で「音源を確認し、しかるべき対応をさせていただきたい」と述べた。
野党の女性国会議員はこの日、同省を訪れ、事実関係の調査と福田氏の更迭を申し入れた。申し入れには立憲民主、希望、民進、共産、自由、社民各党と無所属の計11人が参加。連名の申入書を上野副大臣に手渡したが、上野氏は「大臣に報告する」と述べるにとどまった。
一方、この日の厚労委では、厚生労働省の福田祐典健康局長が女性職員にセクハラが疑われるメールを複数回送ったことについて「大変お騒がせし、まことに申しわけございませんでした」と謝罪。「深く反省するとともに、省内の調査には協力する」と話した。この問題をめぐり、福田健康局長は12日、蒲原基道事務次官から口頭注意を受けていた。