医療現場で働く3人に1人が、同僚や患者からパワハラやセクハラなどを受けた経験がある――。日本医療労働組合連合会(医労連)が11日、こんな調査結果を発表した。
調査は2017年3~9月に実施。7225人(女性5340人、男性1795人、不明90人)から回答があった。全体の65%が35歳以下。看護職が約4割を占め、ほかにリハビリテーション職や介護職が続いた。
過去3年間でパワハラ、セクハラなど、何らかのハラスメント行為を受けたことがあるか尋ねたところ、32%にあたる2282人が被害を訴えた。全体のうち、パワハラを訴えたのは27%。相手(複数回答)は、上司が半数近くを占めて最も多く、先輩が33%で続いた。
セクハラ被害を訴えたのは全体の12%。相手(複数回答)は患者や家族が50%、医師などを含む他職種が16%。「手や肩から腕、お尻を触られた」「大きな声で性的発言をされた」などの声が寄せられたという。妊娠や出産を機に嫌がらせを受ける「マタハラ」も2%が経験していた。
アンケートを実施した医労連青年協議会の門岡瞬議長は「被害に遭っても患者や医師との関係性を重視して言いづらい雰囲気がある」と指摘。「勤務環境の改善や相談窓口の啓発をしていきたい」と話した。(有近隆史)