「海の向こうの誰かが、どんな気分で朝起きるかで決まるリスクまで背負いきれない」
ロシアのドボルコビッチ副首相は13日、クラスノヤルスクでの経済フォーラムで、こう語った。ロシア通信が伝えた。
ロシアでは、シリア危機や英国での元スパイ殺人未遂事件で欧米との緊張が高まっているうえ、トランプ米大統領の「過激ツイート」に通貨ルーブルや株が反応し、乱高下している。副首相の発言は、「これはかなわん」とばかりにぼやいたものだった。
米国が6日に発表したロシアの新興財閥などを対象にした新たな経済制裁を受け、ロシアでは週明けの9日から株価、ルーブルの対ドルレートとも急降下。その後、不安定な相場は、トランプ氏の朝のツイートにほんろうされる。
トランプ氏は米東部時間の11日朝、シリア危機をめぐり、「ロシア、準備しろ。(ミサイルが)来るぞ」と警告。ルーブル安がさらに進んだ。
さらに翌朝、「いつシリアを攻撃するかなんて言っていない。すぐかもしれないし、全然すぐではないかもしれない」とツイートすると、今度は逆に前日の落ち込み分を回復した。
「来るぞ」のツイートには、ロシア大統領府のペスコフ報道官も「我々はツイッター外交には参加しない」とコメント。一方で外務省のザハロワ報道官がフェイスブックで、「撃つならテロリストを狙え」と「応戦」していた。(モスクワ=喜田尚)