今年1月に死去した野中広務・元自民党幹事長のお別れの会が14日、京都市内で同党と野中家などの合同で営まれた。安倍晋三首相も参列し、「戦争を知る最後の世代だった。我が国が不確実な世界情勢に直面する今、平和の番人たる先生の発する一つひとつが心の奥にまで響くすごみがあった」と野中氏をしのんだ。
森喜朗元首相や大島理森衆院議長、野田聖子総務相のほか、自由党の小沢一郎代表や共産党の穀田恵二国会対策委員長ら、約3千人が参列した。会の実行委員長を務めた自民党の二階俊博幹事長は「徹底的に弱者に寄り添う政治を目指した先生の信念は多くの国民の感動と共感を得られた」と悼んだ。
野中氏は1983年衆院補選で初当選し、政界入りし、小渕政権で官房長官を務めた。「政界の狙撃手」と言われた攻撃的な政治手法の一方で、戦中の体験などから憲法9条は変えてはならないと訴えるなど護憲派としても知られた。(明楽麻子)