長女を自宅マンションから落として殺害したとして、大阪府警は30日、母親で無職の磧本佳巳(せきもとよしみ)容疑者(31)=大阪市住吉区苅田2丁目=を殺人容疑で逮捕し、発表した。「ベランダから子どもを落として殺した」と供述している。
住吉署によると、亡くなったのは長女の優月(ゆづき)ちゃん(2)。全身を強く打ち、病院で死亡が確認された。磧本容疑者の逮捕容疑は同日午前9時20分ごろ、5階の自宅ベランダから優月ちゃんを約12メートル下の敷地内の駐車場に落とし、殺害したというもの。遺体には日常的に虐待を受けたようなあざや傷などは確認されていないという。署は磧本容疑者がベランダの高さ約1・1メートルの手すり越しに優月ちゃんを落としたとみて、詳しい状況を調べている。
署によると、磧本容疑者は夫(36)と優月ちゃんの3人暮らし。事件当時、3人は室内にいたという。
同じマンションに住む女性によると、午前9時過ぎに「キャー」という叫び声を聞き、部屋から下をのぞくと地上に子どもが倒れていた。急いで下りると、男性が「優月! 優月!」と叫びながら心臓マッサージをしていたという。
住民の男性によると、磧本容疑者はすれ違う時には笑顔であいさつしていたという。優月ちゃんも「こんにちはー」と笑顔であいさつを返してくれたといい、2人でおもちゃを持って出かける姿も見かけたという。これまで叫び声や泣き声などは一度も聞いていないと話している。