3月定例会で市政の方針を説明する小野田賢治市長(中央、右側は傍聴席のモニター)=2日午前、愛知県みよし市
愛知県みよし市の小野田賢治市長が4月からの市議報酬を、審議会で答申された額よりも月額で2万1千円上乗せする条例案を、2日開会の3月定例会に提出した。答申額よりも増額したことについて、小野田市長は「以前から市議の報酬が低いと思っていた」と説明している。
市によると、大学教授や住民らによる市特別職報酬等審議会は1月、議員報酬を4月から月額で4千円引き上げるのが適当と答申した。だが、市が市議会に出した条例案ではさらに増額し、答申の額の約6倍、2万5千円の引き上げで月額40万円となった。
原案通りに可決されるとみよし市議の年収はこれまでの621万円から663万円になる見込み。
小野田市長によると、人口約6万1千人のみよし市は県内の同規模の市と比べて市議の報酬額が低いため、水準をそろえたいと考えたという。「答申は真摯(しんし)に受け止めたが今回は自分の考えも踏まえて決めた。議員も市の代表で適切な報酬が必要と考えただけで、議会とのなれ合いにはつながらない」と語った。
複数の市議は取材に対し、「議会側からお願いしたことではない。市は詳しい理由を説明して欲しい」「市民感情からすれば理解を得られないのではないか」と話している。
小野田市長は、中学校長などを経て、2013年の市長選で無投票で初当選。昨年11月に無投票で再選を果たしていた。(臼井昭仁)
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全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士の話 第三者の集まりによる特別職報酬等審議会の答申は政治的な影響力を排除して適切な決定をするもので首長が無視するのは問題。予算案の提出権者としての適格性を疑わせる。市民のためにならない。議会とのなれ合いを生む。
■小野田市長との一…