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スカウトがほれ込んだ、内川の才能 「これはもらうよ」

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ソフトバンクの岩井隆之アマスカウト


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プロ野球史上51人目の2千安打を9日に達成したソフトバンクの内川聖一選手。横浜(現DeNA)で担当スカウトだった岩井隆之・現ソフトバンクアマスカウト(64)は、大分工高時代の打撃を一目見て、その才能にほれ込んだ。


ソフトバンク・内川聖一、2千安打達成 史上51人目


2000年の春ごろ。大分工高の監督を務めていた父・一寛さんが法大の後輩だった縁もあり、グラウンドに練習の視察に訪れた。4カ所に分かれての打撃練習が始まると、最終学年を迎えようとしていた内川選手に目を奪われた。マシンや打撃投手の様々な球種を打ち損じず、正確にバットの芯で捉えていたという。


「十発十中、芯に当てる。今までスカウトをしていて、ここまでミート力の良い選手は見たことがない。中距離打者というか打率を残せる打者になると思った。左打者には多いが、右打者には少ないタイプ。打撃フォームと、あのミート力ならプロでも打てる」


身長は180センチ台。走攻守三拍子そろった大型内野手として打撃に最高評価をつけ、岩井さんは「これはもらうよ」と一寛さんに即答した。「内川聖一の名前はドラフトの引き出しに入れておいて下さい」と球団幹部にも報告した。


岩井さんは、内川選手が高1で患った左かかとの「骨のう腫」によるブランクを考慮し、入団から数年間は体作りを軸にした育成プランを提案するなどしたという。紆余(うよ)曲折を経て、その年のドラフトで1位指名に成功した。


岩井さんは、04年からは横浜の2軍監督としても内川選手の成長を見守った。内野守備の送球難などで伸び悩んでいた時期には、ファームで調整していた内川選手をコーチ室に呼び、「思いっきりやればいい」と励ましたこともあった。


06年オフに横浜を離れ、日本ハムのファームコーチなどを経験し、今季からソフトバンクのアマスカウトに就任した。自らプロに導いた内川選手が大記録にたどり着く年に再び同じチームに籍を置き、「何か縁を感じるね」と岩井さん。内川選手にとっても感慨深い再会だ。「岩井さんがまさかこの時期にホークスに来るなんて予想もしなかった。巡り合わせに感謝したい」(甲斐弘史)



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