九回裏ソフトバンク2死満塁、内川は右飛に倒れる=日吉健吾撮影
プロ野球史上、51人目の通算2千安打に王手をかけているソフトバンクの内川が、生みの苦しみを味わっている。
残り2本で、4日から本拠ヤフオクドームでの3連戦に臨んだ。5日に右前安打を放って残り1本としたあと、6打席連続で無安打。スタンドでは、出身地の大分から駆けつけた父・一寛さんら家族も見守ったが、福岡のファンの前での達成はならなかった。
打率2割1分台の本人には、見えない重圧がのしかかっている。「周りの方の反応とか取材の多さに、2千安打って本当にすごいことなんだなと過剰に意識した部分はある」。6日のオリックス戦では、3点を追う九回2死満塁の絶好機に凡退。4番の重責を担うからこそ、「つくづく残念な男」ともこぼした。
次は首位西武との2連戦で、8日は県営大宮、9日はメットライフドームでいずれもナイターが舞台だ。「最後の1本の難しさ」と話す工藤監督は、自身が200勝を目前にした当時の心境を重ねる。
巨人時代の2004年、残り2勝から王手をかけるまでに1カ月以上かかり、199勝目を挙げてから2度目の先発でようやく栄誉を手にした。「ここで勝てなかったらずっと勝てないんじゃないかと考えちゃう。(内川)本人が一番感じていると思う」
名球会入りした先輩として「プレッシャーはあるがやりがいもある。負けないで頑張ってほしい」と温かく見守っている。(甲斐弘史)