Tizzy Tさん=3月30日、北京、延与光貞撮影
中国のネット上で昨年人気が出た番組「中国にヒップホップあり」に出場し、全国6強に入った広東省出身の人気歌手Tizzy Tさん(25)に、ヒップホップの魅力を聞いた。
規制に負けない中国流ヒップホップ 本音とリアルを代弁
――どんな思いで曲を作っていますか。
その時の気分で表現したいものは変わります。友達と楽しく酒を飲んだら楽しいパーティーの歌を作るし、彼女と別れたらそのつらさを歌にするでしょう。自分の感情をリアルに書くのが僕のスタイルです。
大事にしているのは、若者みんなと共にいるということです。我々の世代はみんな似たような状況にあり、似たようなことを体験していますから。
――家を買うために稼がないといけない都会の若者の悲哀も歌っていますね。
自分が夢を失ってしまうのが怖いという思いで作りました。僕も似たような生活を送っていましたから。金を稼ぎたいなんて歌にするなという人もいましたが、20代の若者が金を稼いで都会に住みたいというのは当たり前でしょ。
――若者を励ましているのですか。それとも、金のために生きるなという批判を込めた?
励ましと受け取ってもらっても、夢をあきらめろと受け取ってもらっても構いません。ただ、思いを分かち合おうと思っただけです。金を稼いで家族や親を養わなければならないのも現実です。仕事のために夢を諦めることだってあるでしょう。誰も責めることはできません。
――ヒップホップの魅力とは何でしょう。
人によって全く違うところです。一人ひとり価値観や世界観が違う。お前の歌はおかしいと言われる筋合いはありません。どれが正解か、ではなく、どれも正解なんです。ヒップホップから教えてもらったのは、包容力です。
――違法薬物や犯罪を題材にし…