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全会一致とならなかった除名決議 前監督「追放」の裏側

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日大の悪質タックル問題をめぐり、会見する関東学生連盟の(右から)森本啓司専務理事、柿沢優二理事長、寺田昌弘監事=29日


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日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、内田正人前監督、井上奨前コーチに最も重い除名処分を科した29日の関東学生連盟の臨時理事会。決議はなぜ全会一致とはならなかったのか。


特集:日大アメフト部違反行為


午後6時。東京都内にあるビルの一室に、関東学連の理事ら24人が集まった。両校の関係者に聞き取りなどの調査を続けてきた規律委員会から、処分内容と調査結果が報告された。


その後の質疑応答。「この処分でいいのか」「選手の出場機会を本当に奪って大丈夫か」。理事からは様々な質問が出た。指示の事実認定についても危惧する声が上がった。日大選手は「監督が『相手QBを1プレー目で潰せば試合に出してやる』と言っていたとコーチから聞いた」と話し、一方の前監督は「私の指示ではない」と述べ、言い分は食い違っていたからだ。


だが、弁護士資格を持つ規律委メンバーの一人はこう説明した。「裁判所も同じ判断になると思われる。思い切って認定した」


意見が分かれたのが、守備選手とチームに対しての処分だった。条件を満たせば出場資格停止を解くとしながら、今年度シーズン終了までとした。有期にする必要があるのか。条件付きなら無期限にするべきだ。反対票の主な理由は、この点についてだった。


規律委は理事会で「無期限の出場資格停止にしてしまうと、選手らは希望が持てなくなる」と説明。森本啓司委員長(連盟専務理事)も会見で「再起のチャンスを与えないのは教育をモットーとする連盟としてあり得ない」と語った。


時間は午後7時半を回っていた。すべての処分案が一括で決議された。日大の理事らは決議を辞退した。賛成16、反対4。チームや選手の処分、そして、内田前監督、井上前コーチの事実上の永久追放は、こうして決まった。(榊原一生)



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