妹の和弥(なごみ)さんと自宅で談笑する岸本ほのかさん(奥)=2018年4月22日午後0時15分、大阪市天王寺区、山田暢史撮影
成人年齢を引き下げる民法改正案が成立し、18歳も大人の仲間入りをすることになった。少子化が進むなか、若者の積極的な社会参加を促し、自覚を高めることが狙いとされる。だが、素朴な疑問が残る。大人って、何だろう。
18歳成人、改正民法成立 結婚・契約に保護者同意不要
成人年齢の引き下げで、大阪市天王寺区の高校1年、岸本ほのかさん(15)が気になるのは、成人式だ。改正民法が施行される2022年、ほのかさんは19歳。中学2年の妹、和弥(なごみ)さん(14)も18歳になり、姉妹そろって、翌年に成人式を迎えることになる。これが「なんかシャク」だ。
日ごろから、妹と歩いていると、自分の方が年下に見られがち。勉強や生活態度などでのケンカもしょっちゅうだ。「成人した途端、妹が自分と同じ『大人』の目線で馬鹿にしてくるかも。そう思うと屈辱的なんです」。姉がこう話すと、和弥さんは「しっかりしてないからでしょ。大人になるならもっとちゃんとしてよ」と口を挟んだ。
ただ、成人年齢の引き下げは和弥さんも釈然としない。成人式は別々だと思っていたから、親に1着の振り袖を買ってもらい、2人で着回す予定だった。柄についての話し合いも始めているが、このままでは1人しか着られない。しかも、和弥さんは高校3年で成人式を迎え、大学受験シーズンとも重なる。「大人の都合で混乱させられてる感じ」という。
そもそも、高校を卒業していないのに「大人」でいいのだろうか。15歳からみると、18歳と20歳はかなり違う。「スカート丈や髪の長さなどが校則で決められる高校生と比べ、大人は自由に見える」とほのかさんは語る。
ほのかさんが学校で読んだ新聞には、成人年齢が18歳になれば、親の同意がなくても携帯電話の契約ができたり、クレジットカードを作れたりするので、若者の間で消費者トラブルが増える可能性があると書いてあった。だとしたら、「経済的に自立し、行動に責任取れて初めて大人と言えるのかな」と思う。「親や校則に縛られる高校生が『大人』というのは、やっぱりちょっと変ですね」
■102歳「まだ大人になりきれ…