山本ユキコさん
記者が聞く 父親の心得(下)
記者(37)は、共働きの妻と保育園に通う娘(2)の3人暮らし。家事や育児は何とか分担していますが、いさかいが絶えません。なぜ? 「出産・育児ママのトリセツ」の著書があり、子育て講座を開き約4千人が受講した山本ユキコさん(43)に聞きました。
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家事・育児、男性記者の「やってるぜ感」に妻はイライラ
記者は1年ほど前まで、長時間労働をしていた。土日の出張も多く、育児休業を取った妻は、朝から寝かしつけまでを一人で担う「ワンオペ育児」だった。
ある日、出張から帰ると、体調を崩した娘の看病に疲れ、うなだれて放心状態の妻がいた。「もう限界……」。絞り出すような声に自分を恥じ、妻の職場復帰を機に、家事や育児を2人であげて平等になるように割り振った。
家の中にいらいらが漂う生活は一変するかと思ったが、今度はささいなことで意見がぶつかり、険悪なムードに。家事や育児を分担すれば、妻のストレスは軽くなると思っていた。なぜなのか。
《ストレスの本質は「生活の変化」です。米国の研究者がまとめた人生におけるストレスの引き金は、「配偶者の死」などのほか、「不眠」「不規則な食事」「趣味の制限」などでした。寝不足になったり、食事がままらなくなったり、仕事を制限したり。家事や育児を分担してもストレスが大きいのは、生活の変化が続いているからです。子育て世帯では、仕事の制限など、多くの変化は妻が背負いがちです。》
確かに、その意味では妻は「高ストレス」なのだろう。だが、娘の急病で仕事を休んだり、お迎えのために書類をカバンに投げ入れ、大急ぎで会社を出たり。働き方は変わった。どうやら自分自身も、高ストレスでいらいらしているらしい。夫婦で高ストレスならば、ささいなことで導火線に火も付くだろう。
《家事・育児をある程度分担し…