「笑点」勇退の記者会見の後、大喜利メンバーに囲まれる桂歌丸さん(前列左から2人目)=2016年5月22日
テレビでも寄席でも人気者だった落語家の桂歌丸さんの死去に、芸と人柄を惜しむ声があふれた。
「芸の鬼」「高座への厳しさ人一倍」歌丸さん悼む声続々
特集:桂歌丸さん死去
「笑点」メンバーは日本テレビを通じてコメントを出した。三遊亭円楽さんは「思い出が多すぎて、どこを喋(しゃべ)っても一片です。だから私の心にしまい込みます。だから思い出話はしません」。三遊亭好楽さんは「あの痩せた身体からどうしてこのようなエネルギーが生まれるのか只々(ただただ)驚きそして尊敬の一言です!」。歌丸さんから笑点の司会を引き継いだ春風亭昇太さんは「とても大きな存在ではあるんですが、だからこそ悲しんでいる場合ではない」。林家たい平さんは「最後の最後まで落語に向き合った師匠は格好よかったです」。林家三平さんは「『慌てず、急がず、自分のペースで』『ローマと一緒、大喜利も1日にしてならず』、優しく鋭い指南もして下さいました」。
BS日テレが昨秋、半生をドラマ化。歌丸さん役を演じた尾上松也さんは「落語に対する愛と情熱を忘れず貫いてこられた歌丸師匠には芸道を志す者として沢山(たくさん)のことを学ばせて頂きました」とコメントした。
講談師の神田紅さん(66)は「芸の虫で芸の鬼。『噺家(はなしか)は高座で死ねたら本懐』と心底思っていらしたのでは」と、師匠の桂米丸さん(93)は「私より先に逝ってしまうなんて、胸がいっぱいです」と語った。
落語協会会長の柳亭市馬さん(56)は「最近の師匠の高座からは『この姿をよく見ておけよ』という我々後輩への強いメッセージを感じました」とのコメントを出した。
上方落語協会会長の笑福亭仁智さんは「東京の落語を今日の隆盛に導かれた大功労者で、お元気に復帰されると思っておりましたので、残念でなりません」とコメントした。
歌丸さんの地元・横浜市の理容店「ユカワ」の湯川豊さん(57)は親子2代で60年以上、歌丸さんの髪を切ってきた。「自分の家族が亡くなったと聞いたみたい。まだ『ウソでしょ』と思う」と話した。