助成金の不適切使用や判定への介入などが告発されている日本ボクシング連盟は7日、大阪市内で臨時の理事会を開いた。理事会後、山根明会長(78)が報道陣の取材に応じ、暴力団関係者との交友が指摘されていることについて、「交際があったことは事実」と認めた。その上で「8日12時に進退を発表する」と語った。
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連盟の関係者によると、告発された複数の問題について第三者委員会を設置して調査にあたることを確認するほか、理事の中から山根会長の進退についても意見が出ていたことを受け、臨時の理事会が開かれた。
理事会は非公開で、大阪市内のホテルで午後4時から始まった。午後7時半ごろに会場を出てきた山根会長は進退について「8日12時に心の整理をして進退を発表する。家族、友人と相談して決める」と述べた。理事会では、進退について会長に一任することでまとまったという。一連の疑惑が浮上するなか、会長自身の暴力団関係者との関係も指摘されていたが「反社会勢力の人間と交際があったことは事実」と認めた。
一方、連盟の吉森照夫専務理事は7日、全国高校総体の競技の閉会式後に報道陣の取材に応じた。山根会長の暴力団関係者との交際について「弁護士としての見解」と断った上で「そういう交際があったからといって完全に悪者にするのはおかしいと思う」と話した。「日常で接した人が過去に過ちを犯したことがあったかもしれない。それがわかったからって付き合いを断るのか。それは人間としておかしいと思う」と話した。競技団体のトップとして不適切ではないか問われると「子どもや学校の先生に心配をかける結果になったのは遺憾に思う」と陳謝した。
スポーツ庁の鈴木大地長官は7日午前、報道陣の取材に応じ、山根会長について「(反社会勢力との)黒い交際が事実だとするならば辞任に値する」と述べた。連盟は第三者委員会で事実関係を明らかにする予定だが、鈴木長官は「色々な問題がボクシングやスポーツ全体のインテグリティー(健全性)を損ねている。第三者委の意見は尊重するが、なるべく早く収束させたい」と述べ、山根会長の早期辞任に言及した。
東京都の小池百合子知事もこの日、東京都内で開かれたイベント後、報道陣の取材に「スポーツでアンフェアなことがまかり通ってはいけない。東京五輪が誰にとってもスポーツの祭典としてふさわしい環境であるよう、まず日本の競技団体がそれを証明していただけるよう、頑張ってもらいたい。連盟は自らを清めていただければと思う」と話した。