少年時代の羽生善治竜王(47)、中村太地(たいち)王座(30)らが腕を磨いた八王子将棋クラブ(東京都八王子市)が12月末で閉店することになった。オーナーが体調がすぐれない中で続けてきたが、入居するビルの老朽化も重なって決断した。数々の棋士が輩出した有名道場が、40年余の歴史に幕を下ろす。
JR八王子駅から徒歩5分。ビルの3階にある同クラブは、週末になると1日60~70人が対局を楽しむ。オーナーの八木下征男(ゆきお)さん(75)は「羽生竜王が(タイトル独占の)『七冠』になった1996年頃が一番のブームで、1日100人ぐらい来た」と振り返る。
八木下さんは77年、勤めていた会社を退職して同クラブを開いた。自身が常連だった八王子の将棋クラブがなくなったのを機に、一念発起した。「自分が残念な思いをしたので、将棋ファンが楽しめる場所を作りたかった」。その翌年に八王子将棋クラブに来たのが、当時小学2年の羽生少年だった。
羽生竜王はここで腕を上げ、小…