岐阜市の「Y&M 藤掛第一病院」に入院中の高齢者5人が熱中症の疑いで相次いで死亡した問題で、病院が市の調査にエアコンの定期点検を実施していなかったと説明していることが、市への取材でわかった。市は今後、エアコン故障後の患者の移動を時系列で確認し、病院側の対応に問題がなかったかを調べる。
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市は28、29日に病院への立ち入り検査をした。市によると、病院側はエアコンの定期点検を実施していないと答えたという。本館3、4階のエアコンが故障した20日は普段使っていない新館の病室に入院患者を移すことを検討したとも説明。この時は新館のエアコンが稼働せず断念したが、29日になって、両階に残っていた患者7人をエアコンが動くようになった新館に移したという。
また、立ち入り検査時に本館3、4階は室温が30度を超えていたという。市は病院にエアコン点検の実施を求めたほか、病院の説明に不明確な部分もあることから、入院患者の移動を時系列で示す資料の提出を求め、対応に問題がなかったかを検証する方針だ。
複数の元病院職員らによると、過去にもエアコンが繰り返し故障していたという。少なくとも10年ほど前から故障を繰り返し、修理に1週間ほどかかったこともあったという。その際は、患者のわきの下に保冷剤を挟むなどして対応していたが、エアコンの修理業者は室外機を換えるといった根本的な措置を取るよう指摘していたという。