トランプ米大統領は12日、米国の選挙に介入した外国の個人や団体に制裁を科す大統領令に署名した。米情報機関は、2016年の大統領選にロシアがサイバー攻撃で介入したと認定しているが、11月の中間選挙でもロシアが介入を画策していると警告しており、議会が対策を求めていた。
大統領令では制裁の対象となる行為として、選挙関連システムへの不正アクセスや、情報操作や偽情報の拡散などによって世論に影響を与えようとすることなどを挙げている。制裁対象者には米国内の資産凍結や米金融機関との取引制限などが科される。
トランプ氏は大統領令の中で、「これまで米選挙の結果を変えた外国勢力はない」と前置きしつつ、「近年、インターネットの発展で外国による介入の脅威が拡大している」と署名の理由を説明している。
16年の大統領選では、ロシアがトランプ氏の当選を狙い、サイバー攻撃や偽情報の拡散などで介入したとされ、マラー特別検察官が介入とトランプ氏との関係を捜査している。トランプ氏はマラー氏の捜査を批判しているほか、介入について、ロシアのプーチン大統領への非難を避けている。(ワシントン=杉山正)