パナソニックは、単3乾電池2本で動く小型ロボット「エボルタNEOくん」が11月、広島港から世界遺産・厳島神社がある宮島までの約2・5キロの遠泳に挑戦すると発表した。サーフボードに乗り、赤外線による社員の誘導に従って約3時間かけて泳ぐ予定。達成すれば、乾電池を動力とするロボットのギネス世界記録になるという。
25日、乾電池を製造している大阪府守口市の工場で出発式を開いた。大阪から広島まで約400キロの道のりを歩いた後、11月10日午前に「挑戦」を開始する予定。サーフボードにうつぶせになって腕の部分を回転させて泳ぎ、挑戦中は乾電池の交換やロボットの修理はしない。
同社は、乾電池の性能をアピールする挑戦を2008年から毎年行っている。第1回は当時の「エボルタくん」が米アリゾナ州のグランドキャニオンで、約530メートルの絶壁を6時間46分余りで登頂。09年はフランスのサーキットで「24時間耐久走行」に成功し、ギネス世界記録を達成した。
一方、16年には単3乾電池640本で動く飛行機を使い、世界最長距離の有人飛行にチャレンジしたが、突風が吹いて失敗した。今回の挑戦について、担当者は「エボルタ発売10周年の節目の年なので、1回で成功させたい」と意気込む。(神山純一)