男子テニスの楽天ジャパン・オープンは第5日は5日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで、シングルス準々決勝があり、4強が出そろった。今季の全米オープン4強、世界ランク12位で第3シードの錦織圭(日清食品)は、同15位で第5シードのステファノス・シチパス(ギリシャ)を6―3、6―3で下し、3年ぶりの4強入り。第2シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)に7―6、7―6で競り勝った第8シードのリシャール・ガスケ(フランス)と6日の準決勝で対戦する。ダブルス準決勝では、内山靖崇(北日本物産)と組んで昨年優勝したマクラクラン勉と、ヤンレナルト・シュトルフ(ドイツ)のペアが、オランダ選手のペアに6―1、6―4で勝ち、決勝進出を決めた。
久々の優勝へ手応え
売り出し中のシチパスとは初顔合わせ。20歳の攻撃的なオールラウンダーとの準々決勝を、錦織は「戦術をしっかり持って、彼のプレーを頭に入れて臨めた」と振り返った。
第1サーブ成功率57%、ダブルフォールト5回と苦しむシチパスに対し、リターンゲームで優位に立った。相手の好きなコースを読み、サーブを受ける立ち位置を調整した。得意のバックハンドに加え、フォアのリターンショットでも揺さぶった。
「リターンゲームで重圧をかけられたので、サービスゲームでも余裕が出た」と、第1セット途中から6ゲーム連取。前後左右に走らされ、疲れが色濃くなる若者を尻目に、28歳の錦織は勢いづいた。
3試合連続のストレート勝ちで、体力的な不安は皆無。ホームの観衆を前に誓った。「最後の日まで残れるように、自信を持ってやりたい」。2年8カ月ぶりとなるツアー大会優勝への手応えを口にした。(富山正浩)