南米ブラジルで7日にあった総選挙で、上院議員選に立候補した労働党のジルマ・ルセフ元大統領(70)が落選した。投票直前の世論調査では、当選が確実視されていた。ブラジルでは、労働党が不景気や政界汚職の元凶との見方が強く、労働党への不満を象徴する結果となった。
ブラジル大統領選、28日決選投票へ 極右と左派が対決
ルセフ氏は軍事政権時代、民主化を求める活動家で、軍に逮捕されて拷問された経験もある。民政移管後は政治家として活動し、2011年にブラジル初の女性大統領に就任した。
だが、政府会計の粉飾疑惑で職務停止となり、16年、国会で弾劾(だんがい)裁判が開かれ、罷免(ひめん)された。この際、8年間の公職追放案も同時に採決されたが、可決に必要な3分の2の賛成が集まらず、政治活動の道が残され、ルセフ氏は今回の総選挙で政界復帰をめざしていた。(サンパウロ=岡田玄)