サウジアラビア国籍のジャーナリストがトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館に入った後に行方不明になっている問題で、トルコのエルドアン大統領とサウジのサルマン国王が14日、電話会談した。サウジ国営通信によると、サルマン国王は、事件に関する両国の合同作業チーム設置の提案をトルコが受け入れたことに感謝したという。
サウジ政府を批判してきたジャーナリストのジャマル・カショギ氏は2日に総領事館に入った後、消息が途絶えている。サウジ側はトルコの捜査への協力を表明し、両国で合同作業チームをつくることになった。だが、総領事館の捜索には至っていない。トルコのチャブシュオール外相は13日、報道陣に「サウジ側はトルコ捜査当局が総領事館に入ることを認めるべきだ」と不満を表明した。
トルコ当局はカショギ氏が総領事館内で殺害された可能性が高いとみている模様だが、サウジ側は疑惑を全面否定している。
トランプ米大統領は13日、サウジ政府が事件に関与していた場合、「非常に厳しく対処する」と述べ、サルマン国王に電話して説明を求める意向を示している。また、英独仏の外相も14日、「重大な懸念」を表明する共同声明を出した。(其山史晃=イスタンブール、高野裕介)