トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館でサウジ記者が殺害された疑惑をめぐり、捜査にあたるトルコの出方が注目されている。サウジと蜜月関係にある米国のトランプ大統領はサウジを擁護するが、容疑者にムハンマド皇太子の周辺者が含まれる可能性が浮上。両国と緊張関係にあるトルコは外交関係を考慮しながら、真相解明をめざすことになりそうだ。
トランプ氏とサウジ王室、ビジネスで蜜月?ホテル売却も
不明記者、生きたまま切断か サウジ見解と異なる可能性
サウジ皇太子周辺の男ら関与か 米紙報道 記者殺害疑惑
「いくつかの制裁は(トルコが12日に解放した米国人)牧師の件に直結している。取り除くのは論理的だ」。17日、トルコのエルドアン大統領らと会談した米国のポンペオ国務長官はこう話し、トルコに対する制裁の解除を示唆した。
トランプ米政権は8月、トルコがテロ組織支援などの罪で長期拘束していた米国人牧師の釈放を求め、経済制裁や関税引き上げで圧力をかけた。あおりでトルコは経済危機に見舞われた。両国はシリア内戦での立場の違いなどから緊張が続くが、牧師釈放を糸口として対米関係を改善できるかがトルコの最優先課題だ。
そんな最中に起こったのがカショギ氏失踪事件。米国にとって同盟関係にあるサウジは中東政策の要だ。昨年5月には、米国史上最大規模の武器売却契約を結んだ「大口顧客」でもある。トランプ氏は、サウジを統治する王族を擁護してきた。
ところが、米ニューヨーク・タイムズなどは17日までに、トルコ当局がカショギ氏を殺害した容疑者とみるグループの中に、ムハンマド皇太子に近い男らがいると報道。事実であれば、皇太子の関与を疑う声が強まる状況となっている。
事件への国際的な注目が高まり…