トランプ米政権の要であるケリー大統領首席補佐官とボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が18日、移民問題への対応をめぐり、怒鳴り合いのけんかをした、と米メディアが報じた。どちらかが辞めるのではないかという臆測がでるほどの剣幕だったという。
CNNなどによると、政権幹部はホワイトハウスで、中米から米国への移住を目指す約2千人の一団が国境に向かっている問題などについて議論していた。移民に強硬な姿勢をとるボルトン氏が、もともとケリー氏の部下だったニールセン国土安全保障長官に関し、「早く仕事を始めさせろ」などと繰り返し批判したことに、ケリー氏が腹を立てたという。
トランプ大統領も議論に加わっており、ボルトン氏の肩を持ったとされる。米メディアによると、トランプ氏は5月にも、国境の安全対策をめぐり、ニールセン氏の対応が十分ではないと批判していた。
ボルトン、ケリー両氏のケンカを目の当たりにしたホワイトハウスの幹部の一人は、2人の考えがあまりに違うので、どちらかが辞任するのではないかと思うほどだったという。ホワイトハウス内の規律やトランプ氏とのアポの管理などを強めたケリー氏をめぐっては、これまでも辞任観測が出たこともあった。ただ、両氏とも辞任する意思は示していない。(ミズーラ〈米モンタナ州〉=土佐茂生)