囲碁名人戦第6局の立会人を務める大竹英雄・名誉碁聖(76)は、名人戦七番勝負に旧名人戦も含めて計12回も登場し、「名人戦男」と呼ばれたことで知られる。当時について、大竹名誉碁聖は「名人戦に限らず、年に一度、七番勝負の舞台に立てれば自分も碁打ちとして生きていける――そんな思いでした」と振り返る。 大竹英雄・名誉碁聖のインタビュー動画 大竹名誉碁聖は福岡県八幡市(現・北九州市)の出身で、多くの歴代名人を育てた故・木谷実九段門下。厚みを重視する本格派で、石の形に明るい棋風は「大竹美学」といわれる。同年同月生まれの林海峰・名誉天元(76)とともに「竹林=チクリン」と並び称されるスター棋士の一人だ。 初めて名人を獲得したのは1975年秋。第14期旧名人戦で、当時の名人で弟弟子の石田芳夫・二十四世本因坊(70)をフルセットの末に破った。その年の12月に師の木谷九段が66歳で死去。「石田君にとってはつらいことだったと思うが、生前に報告できた」と涙ぐんだ。 主催が朝日新聞社に移った翌年の第1期名人戦で防衛。第2期で林九段(当時)に敗れたものの翌年に奪回、再び2連覇した。名人獲得は通算4期にのぼる。 一方、80年に名人を弟弟子の趙治勲・名誉名人(62)に奪われる。趙・名誉名人にはその後の4年間で3度挑戦したが、すべてはね返された。90~93年にも4年で3回、七番勝負に登場。同じく弟弟子の小林光一・名誉名人(66)に挑んだが、返り咲きはならなかった。 「私は自分自身がライバルで、ほかの尊敬できる棋士と打つのは、楽しいばっかり。負かされる喜びがある。だから何度でも挑戦したくなった」と笑った。 ◇ 〈おおたけ・ひでお〉 歴代の名人が数多く輩出した木谷一門の塾頭格。世界選手権富士通杯優勝など通算のタイトル獲得数は歴代5位の48。NHK杯優勝5回など持ち時間の短い早碁にも強く、「早碁の神様」とも呼ばれた。碁聖は6連覇を含む通算7回獲得。2002年に60歳を迎え、名誉碁聖を名乗る。08年から12年まで日本棋院理事長を務めた。(高宮正尚) |
「碁打ちとして生きていける」囲碁名人戦男、歴戦の半生
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