今春、囲碁の史上最年少プロ棋士としてデビューしたばかりの仲邑菫(なかむらすみれ)初段(10)の公式戦第2戦が8日、大阪市北区の日本棋院関西総本部であり、田中智恵子四段(67)を破り、公式戦で初勝利をあげた。10歳4カ月での初勝利は最年少記録。
第23期ドコモ杯女流棋聖戦の予選Bで、白番の仲邑初段は中盤まで不利な展開だったが、相手のミスから逆転に成功。146手で中押し勝ちした。
記者会見で仲邑初段は「勝ててうれしい」と話し、笑顔を見せた。田中四段は「すごく冷静で、大人と打っているような不思議な感覚だった」と話した。
会場に駆けつけた父の仲邑信也(しんや)九段(46)は「途中はもう駄目だと思った。僕のプロ人生の中でも、一番うれしい」と喜んだ。
仲邑初段は、4月下旬のデビュー戦で同期の大森らん初段(16)に敗れたが、今回の勝利で藤沢里菜女流三冠(20)が持っていた最年少勝利記録(11歳8カ月)を9年ぶりに更新した。
次戦は8月5日で、金賢貞(キムヒョンジョン)四段と本戦トーナメント入りをかけて対戦する。(渡義人)