プラスチック製ストローが、海を汚染する「悪者」にされてしまった。マクドナルドやガストなど、外食大手が相次いで使用をやめると表明している。このプラ製ストローの製造で国内シェアの半分を握るメーカーが、岡山県浅口市にある。人口約3万5千人の小さな町の、社員50人の会社だ。さあ、どうする?
「脱プラ」を商機に 石灰石や紙製ストロー 新素材続々
岡山県の南西部にある浅口市は、もともと小麦が特産だった。麦の茎を使ったストローが明治期につくられるようになり、日本のストロー産業発祥の地とされる。
国内のストロー製造でトップを走るシバセ工業は1969年に事業を始めた。
蔵のような外観の工場には、生産ラインが6本。「ポリプロピレン樹脂」という米粒ほどの大きさの樹脂原料を高温で溶かし、管状にして伸ばす。水にくぐらせると冷えて固まる。これを機械で均等な長さに切る。1秒あたり5~10本のペースで出来上がる。
直径3・5ミリのカクテル用から、専門店が増えている「タピオカミルクティー」を吸うための1センチを超す太いものまで。機械が素材を押し出す速度を調節することで、直径や肉厚を変えることができる。形もストレート型や、折り曲げられる蛇腹付きなど、200種類以上の商品がある。
「プラ製品の存在が悪いのではなく、問題は廃棄の仕方にあるのに」。磯田拓也社長(58)は、急にわき上がった「ストロー廃止運動」に疑問を投げかける。
ただし、すぐに影響が出るわけ…