忠鉢信一記者の目
大坂の快挙で「日本人初」を連呼、モヤモヤを抱く人たち
テニスの大坂なおみ(21)がシンガポールで開催されている女子テニス協会(WTA)ファイナルに出場しています。年間成績上位8人が出場するシーズン最終戦で、シングルスでは伊達公子、杉山愛に続き、「日本人」で3人目の出場。しかし全米オープン優勝が「日本人初」と騒がれてから、「日本人」という枠で大坂を語ることについて、様々な議論が起きています。
二重国籍だったゼッターランドさんは
日米の二重国籍の時期があり、米国代表で1992年バルセロナと96年アトランタの五輪2大会に出場したヨーコ・ゼッターランドさん(49)に、この現象について聞きました。スウェーデン系米国人の父と日本人の母を持つゼッターランドさんは、「○○人らしさ」に疑問を持ちつつ、記者会見で大坂が「私は私」と話したことに感心したそうです。
大坂はハイチ系米国人の父と日本人の母を持ち、米国に住んでいます。褐色の肌、縮れた毛髪など容姿にはアフリカ系の特徴が見て取れます。シャイで純朴な振る舞いや、流暢(りゅうちょう)とは言えない日本語でインタビューに答える様子から、「日本人らしい」という評判がSNSやテレビ出演者の発言で広まりました。
大坂は現在、日米の国籍を持っていますが、国別対抗のフェドカップで日本代表。2020年東京五輪にも日本代表で出場する意向と言われています。国籍法に従えば、22歳になる2019年10月16日の誕生日までに、米国籍を離脱するなど必要な手続きをしなければ、日本国籍を失う可能性があります。
一方で、親などが外国出身の子…