サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で殺害された事件で、サウジの検事総長を含む検察当局幹部が29日、イスタンブールを訪れ、トルコの担当検事と1時間余り協議した。捜査情報の共有を図ったとみられる。トルコのアナトリア通信などが報じた。
トルコのチャブシュオール外相は同日会見し、「計画殺人の容疑者はサウジで逮捕され、捜査もサウジで行われている」と述べ、サウジ側に「全ての真実」を明らかにするよう求めた。また、カショギ氏殺人事件の捜査には世界の関心が集まっているとして、「出来るだけ早急に結論を出すべきだ」と訴えた。
サウジ当局が事件で拘束した18人の容疑者をめぐっては、トルコ政府は「拷問を伴う計画殺人罪」の容疑者として、トルコへの引き渡しを求めている。だが、サウジ政府は「容疑者はサウジで起訴される」(ジュベイル外相)として拒否する考えを示している。(エルサレム=渡辺丘)