男子テニスのマスターズ・パリ大会は2日、パリで行われ、世界ランキング11位の錦織圭(日清食品)はシングルス準々決勝で同3位のロジャー・フェデラー(スイス)に4―6、4―6で敗れ、ベスト4入りはならなかった。フェデラー戦は6連敗で通算2勝7敗。錦織は5日発表の世界ランキングで9位に浮上し、約1年2カ月ぶりにトップ10に復帰する見通し。
また、錦織は今大会で年間成績上位8人が挑むATPツアー・ファイナル(11~18日、ロンドン)の出場権は獲得できなかったが、年間成績の9位が確定。すでに出場権を得ているフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が右ひざの骨折で早々の復帰は難しいと目され、繰り上げ出場の可能性は十分にある。
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(2日、テニス・マスターズ・パリ大会準々決勝、フェデラー6―4、6―4錦織)
勝負どころでギアを上げる。そんな強者のテニスをロジャー・フェデラー(スイス)は心得ている。
第1セット第9ゲーム。錦織圭は今大会初めて許したブレークポイントを奪われた。続くゲームでブレークポイントを握り返したが、そこから実に12ポイント連続失点。気がつくと、第1セットを奪われ、第2セット最初のゲームをブレークされていた。そのほかの時間帯は耐える粘りは見せたものの、「手堅く短時間で勝てた」というフェデラーの言葉通り、勝機は薄かった。
けが明けのシーズンは世界ランキングで年間9位が確定。「20~30位で終わることも当初は覚悟していたので、ここまで来られたことはうれしい。良いテニスが戻ってきているのは何よりの救い」と錦織は言う。ATPツアー・ファイナルは繰り上げ出場に希望をつなぐ。「出られないにしても(ロンドンには)行くとは思うので、しっかり調整したい」。補欠での待機を覚悟し、吉報を待つ。(稲垣康介)