韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金に元徴用工への損害賠償を命じた判決をめぐり、来日した原告代理人らが12日、東京・丸の内の新日鉄住金本社を訪れた。元徴用工1人あたり1億ウォン(約1千万円)の賠償を命じた確定判決に従い、協議に応じるよう申し入れた。
新日鉄住金は直接対応せず、「判決は日韓請求権協定と日本政府の見解、日本の確定判決に反するもので、きわめて遺憾。今後は日韓の外交交渉の状況を見きわめたい」などとするメモを警備員が代読したという。社員が対応しなかった理由について新日鉄住金は「当社の対応に変わりはなく、新たに伝えることはないため」と話している。
代理人の林宰成(イムジェソン)、金世恩(キムセウン)両弁護士は「解決について協議を始めたかったので、社員が出てこなかったのは残念」と述べた。今後、韓国内の同社の資産を差し押さえる手続きや、追加提訴を進める方針という。(編集委員・北野隆一)