三菱重工業への損害賠償訴訟で勝訴した元女子勤労挺身(ていしん)隊員の原告、金性珠(キムソンジュ)さん(89)と遺族3人ら関係者は29日午前、ソウル市瑞草区の大法院(最高裁)で判決を聞いた。金さんらは判決後、記者団に複雑な心情を吐露した。
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金さんは14歳の時、担任教師から「日本に行けば進学できるし、金も稼げる」と言われ、勤労挺身隊に志願した。1944年5月末ごろから、名古屋で飛行機の翼を製作する作業に携わったという。作業の事故で左手の人さし指の先を失ったという。
金さんは勝訴について、「日本は教育をしてくれると言ったのに、そんな教育はなかった」と語った。判決前には、「日本政府からは、自分の国で抗議しろと言われた。普段から恨(ハン)を抱えて生きてきた」と語り、日本政府が謝罪するべきだとの考えを示した。
広島で働いた徴用工の遺族、朴在勲(パクジェフン)さんは勝訴判決を受け、記者団に「複雑な気持ちだ。(父親が)生きてこの結果を聞けたらよかったのに」と語った。
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