スピードスケート女子ショートトラック選手でソチと平昌(ピョンチャン)の冬季五輪の金メダリスト、沈錫希(シムソッキ)選手(22)らが当時のコーチから暴行を受けていたとされる事件の控訴審で、韓国の水原地裁は30日、元コーチのチョ・ジェボム被告に対し、懲役10カ月だった一審判決を破棄し、傷害罪などで懲役1年6カ月を言い渡した。
金メダリスト、コーチの性暴力を告発 揺れる韓国
判決文などによれば、チョ被告は2011年から18年にかけ、沈選手を含むショートトラック選手を常習的に暴行していた。昨年9月の一審判決後、沈選手が昨年12月、14年から17年末ごろまで繰り返し性暴力を受けたとしてチョ被告を告発していた。
控訴審判決は、性暴力については触れなかったが、チョ被告が平昌五輪が開かれる二十余日前にも沈選手に暴行を加えたことについて「競技に否定的な影響を与えた」と判断した。
判決文は「体育界に依然、選手指導に暴力を使う指導者がいる場合、(判決を通じて)厳重に警告することで選手の人権を保護し、再発を防止する必要性が非常に高い」とした。(ソウル=牧野愛博)