スリランカの連続爆破テロ事件が、ニュージーランド(NZ)のイスラム教礼拝所(モスク)で3月に起きた銃乱射事件への報復だったとの指摘がスリランカで出ていることについて、NZのアーダーン首相は24日、「(実行犯の)表明はないし、情報機関も確認していない」と同国の報道陣に述べ、両事件の関連性に慎重な見方を示した。
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スリランカでの事件後、同国の国防副大臣が国会で「初期捜査の結果、(NZ南部)クライストチャーチでの攻撃に対する報復だった」と発言していた。ただし、明確な根拠は示していなかった。
ラジオニュージーランド(RNZ)の電子版によると、アーダーン氏はこの問題に関心を示す一方、確かな情報は何もなく、関連性を議論するつもりはないと説明。スリランカ政府は事件への対処に専念すべきだとした。
RNZは、二つの事件の関連性が「極めて低い」と指摘する治安専門家のコメントも電子版に掲載。この専門家は、同時多発的に起きたスリランカのテロ事件が、NZの事件が起きる前から周到に計画されたものだという見方を示した。
スリランカの政府関係者が示した捜査資料によると、今回のテロ事件に関与したとされる地元のイスラム過激派組織ナショナル・タウヒード・ジャマート(NTJ)のメンバーがNZでの事件後、ソーシャルメディアに非イスラム教徒を敵視する投稿をしていた。(ジャカルタ=野上英文)