タイの高級住宅を拠点に振り込め詐欺に関与したとして詐欺容疑で逮捕された日本人の男15人がそれぞれ偽名を名乗り、互いに本名を知らなかったことが警視庁への取材でわかった。身元の特定につながる情報を伏せることで捜査が及びにくくする狙いがあったと同庁はみており、誰の指示かなど経緯を調べている。
「ビッグになる」「事業やる」野心空回り 移送の容疑者
警視庁は14日、いずれも住所不定で職業不詳の22~54歳の15人全員を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。
捜査2課によると、15人は3月下旬ごろ、有料サイトの未払い料金があるなどと長野県上田市の10代女性をメールと電話でだまし、電子マネーのギフト券を購入させ、18万円分を詐取した疑いがある。福井市の50代女性に対する同様の容疑で逮捕されていた。
15人はタイ中部パタヤの住宅で共同生活をしながら日本国内の高齢者らをだます役割だったとされる。経験が長いと警視庁がみている岩本颯(りゅう)容疑者(23)は「大原」、河口仁容疑者(22)は「堤」などと各自偽名を使っていたという。
被害は日本各地で少なくとも約80件、7千万円に上る。東京都内のマンションなどに現金を直接送らされた例もあるという。