フィンランドで18日にあるアルペンスキー・ワールドカップ(W杯)男子回転の開幕戦に、日本のエースがいない。オフに左ひざを手術した湯浅直樹(35)=シーハイルアカデミーたちかわ=だ。昨季の惨敗から引退もちらついたが、現役続行を決め、所属先もスキー板も変えた。悩んだ末の決断や、新たな挑戦への思いを聞いた。
アルペン男子、育たぬ後継 湯浅は「らしくない」滑り
昨季は平昌(ピョンチャン)五輪の男子回転で2回目にコースアウト。W杯は14季ぶりに得点なし。ひざが悲鳴を上げ、戦える体ではなかった。
「五輪を終え、引退する選択肢もあった。心の中にやりきった、もうスキーをやりたくない思いがあったら従おうと。だが、まだまだやれる、やりたい思いがあった」
国産スキー板「ハート」との契約をやめ、20年ぶりにマテリアル(用具)を変えた。この板で滑り、2006年トリノ五輪で7位、11年世界選手権は6位入賞。12年のW杯では日本製スキーを使った日本選手として初の表彰台となる3位に入った。
「今後をどうするかとなった時、自分も要望を出して擦り合わせたが、(ハート側から)湯浅の条件ではできない、と。これまで国産にこだわって、『ハートスキーは湯浅直樹』と思われてきた。悲しい選択だったし、つらいこともあったが、現役を続ける以上は悲観していられない、と」
中学3年からお世話になったハ…