女子ゴルフの大王製紙エリエールレディスオープン(エリエールGC松山)は16日、第2ラウンドでアマチュアの高校3年、上野菜々子(大阪・東海大仰星高)がスコアを八つ伸ばして首位の有村智恵に1打差の2位と肉薄、翌日からの決勝ラウンドに駒を進めた。あっけらかんとした明るさと同時に、ゴルファー向きの性格を持つ。
この日は得意のショットに加えて「思ったラインに打てた」というパターが好調だった。前半に5連続バーディーを奪って勢いに乗り、後半も三つスコアを伸ばした。何よりノーボギーと終始安定した内容。「64は試合でのベストスコア。5連続バーディーも初めて」と目を丸くした。
「今日から俺は!!」が好き
ホールアウト後の記者会見で、ツッパリギャグ漫画を実写化したドラマ「今日から俺は!!」が好きだと笑顔で語る姿は高校生らしい。しかし「ゴルフは(相手と戦うのでなく)自分のスコアが良ければ順位が上がるスポーツ」と割り切れるのは、18歳らしからぬ強さだろう。
同学年には昨季から今季にかけてプロツアー10試合連続予選通過を記録した安田祐香(兵庫・滝川二高)がいる。安田の活躍を悔しいとは思わなかった。「活躍は心の底からうれしい。自分もやってやるぞと思う」と前向きな力にできる。プロ相手にも臆することがない理由だ。
石川遼に憧れて
大阪府枚方市出身で、石川遼に憧れて小学校1年でゴルフを始めた。自宅からスポーツの強豪・東海大仰星高は自転車で15分という近さと、親族も通っていたという理由で入学を決めた。「勉強も大事に」という両親の方針で一般入試だったという。
その母校のラグビー部とサッカー部は今週末、全国大会をかけて府予選決勝を戦う。「サッカー部の主将が同じクラス。仲も良く、自分も頑張ろうと思う」
17日は最終組で通算14勝の有村、同16勝のテレサ・ルー(台)といういずれも1987年生まれの選手とプレーする。「弱気にならずにプレーしたい。いい位置なので、優勝はしたい」。10代のアマによる国内ツアー優勝となれば、2016年に畑岡奈紗が17歳で日本女子オープンを制して以来、5人目。昨年引退した元世界ランキング1位の宮里藍さんらと並ぶことになる。(有田憲一)