国境の柵を挟んだ米国側で、不法入国を警戒する米兵たち=17日午後5時10分、メキシコ・ティフアナ、岡田玄撮影
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中米から米国をめざす大規模な「移民キャラバン」が続々と米国境に到着している。冬が迫るなか、たどり着いた人々はメキシコ側で米入国の機会を待つ。だが、トランプ米政権は国境管理を強化しており、移民労働力に頼ってきた米国経済への影響を懸念する声も出始めた。
不法移民と米国、一致していた利害 キャラバンの背景
作戦名「忠実な愛国者」今後使わず 移民対応の米軍派遣
国境の柵を挟んで警備する米兵=17日午後5時15分、メキシコ・ティフアナ、岡田玄撮影
17日朝、避難所がある米国境のメキシコ・ティフアナにある運動公園では、人々が地面に直接敷いた薄いマットの上で毛布をかぶり、肩を寄せ合っていた。気温は10度ほど。周囲にはすえた臭いが漂う。
米国との国境近くにある避難所で眠る人々=17日、メキシコ・ティフアナ、岡田玄撮影
公園内にある体育館に入れたのは到着した約2300人のうち、子どものいる家族らわずか。多くはテントやポリ袋を屋根代わりにした小屋などで野宿する。
米国との国境そばで「向こうで生まれていれば、違う人生があったはずだ」と話すホンジュラス人のヘクトル・アナエルさん=18日午前8時26分、メキシコ・ティフアナ、岡田玄撮影
ホンジュラス人のヘクトル・アナエルさん(25)は馬を1頭、4千レンピラ(約1万8千円)で売ってキャラバンに参加した。道中はトラックやトレーラーの運転手がわずかな謝礼で荷台に乗せてくれたが、荷台から落ちたり、タイヤに巻き込まれたりした仲間もいた。「彼らが生きているかわからない。自分がけがせず、国境にたどり着けたのは神のおかげだ」
勉強を続けたかったが貧しく、…