米CNNのジム・アコスタ記者が、記者会見でトランプ大統領と激しいやりとりを交わし、記者証を取り上げられた問題で、ホワイトハウスは19日、アコスタ氏の記者証を正式に復活させた。記者会見では質問は原則一つだけ、とする新しいルールも発表した。
トランプ氏の不機嫌な朝 「ほら始まった」と質問遮った
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アコスタ氏の記者証は、7日の記者会見の後でホワイトハウスが没収。CNNによる提訴を受けて、裁判所が16日に記者証の復活を政権に命令していた。記者証が戻ったため、CNNは訴訟を取り下げた。
一方、記者会見の新ルールは、①記者は一つの質問をした後、発言権を次の記者に渡す②再質問や複数の質問は大統領やホワイトハウス職員の裁量で許される③「発言権を渡す」とは、職員に適切に物理的にマイクを返すことも含まれる④ルールを守らなければ記者証を停止や廃止とする場合がある、というもの。
ホワイトハウスは声明で、ルールを作らざるを得なかったのは遺憾だと強調した。記者の対応次第で、さらに新たな規則を作る可能性があると報道側を牽制(けんせい)。「政権と報道機関の関係はギブ・アンド・テイクであるべきだ。トランプ大統領は現代史上もっとも記者にオープンで近づきやすい大統領だ。より長く細かい行動規範を作ることになれば、みんなにとって大きな損失となる」と訴えた。(ワシントン=土佐茂生)